同じ場所で同じ体験をしても、ストレスに感じる方もいれば気にならない方もいます。
そもそもストレスとは何でしょう。
『ストレス』という言葉は物理学からの用いたそうです。
物体の外側からかけられた圧力により生じた「ゆがみ」や「ひずみ」という意味を表します。
人のこころのストレスは外部刺激から起こる緊張状態のことをいいます。
外部刺激は日常から起こる変化が刺激となりますので悪い事ばかりでなく嬉しい事も含まれます。
□社会的変化
例えば、今のコロナ禍による社会状況の変化は大きな変化になります。災害なども大きな変化になります。
□環境の変化
例えば、新しい職場、転勤、引っ越し、テレワークなど今までと違う変化は慣れるまで負担になります。
□状況の変化
例えば、結婚や子どもが生まれる、一人暮らし、職場の人の移動、恋愛、別れ、大切な人が亡くなる等も心に変化が生じます。
□体調の変化
例えば、病気やケガ、寝不足、疲れが取れない、眠れない、疾患による変化は普段のように過ごせない変化もストレスを感じます。今まで簡単に出来ていた事が出来なくなることも変化になります。
他にも変化は沢山有りますが
その変化にさらに影響するのが、人の思考、行動、感情になります。
今までの経験での物事の捉え方や、情報のとリ入れ方が感情や行動に影響を与えて、ストレス反応がより強くなる人もいるでしょう。
外部からの刺激からストレスになるのなら
何もしなければストレス状態にならない・・・
と思いがちですが
何も刺激がないほど退屈から「何もしていない自己嫌悪」になる方もいらっしゃいます。
それも人によってはストレスになります。
なぜ?その刺激がストレスに繋がるのか?
そのストレスは周りにいる全員が感じているのか?
自分だけなのか?と
ストレスの刺激その物を考えるとストレスにならなくなります。
意識では大丈夫と思っていても、身体が拒否反応を起こす場合があります。
それは過去の経験、情報、見ていたことも、初めてだけど楽しみにしていることも含まれます。
なんとなく不安、居心地の悪さ、見通しも付かない
自分で対処が出来ない・・・
そんなふうに思っていても
そう思っていなくても
自分の意思に逆らって身体は反射します。
例えば
MRIの検査を受けようとしてベットに寝た途端
何度もトイレに行きたくなる、
看護師さんへ、やたら質問する、
冷や汗が出てくる・・・
意識とは別に身体が
検査したくないという抵抗が始まります。
検査は痛くもない ただ、寝ていれば終わりますが
無意識の中で身体は危険を察知し反応します。
危険を察知すると人は闘争、
または回避して対応します。(防衛反応)
その両方を使えない場面では動かずに意識をシャットダウンし、ただ動かない手段を取ります。
(迷走神経系の防衛システム)
これは自分で身体という器を守るための神経生物学的に最善の適応(反射)になります。
人に対して危険を感じると、社会生活や集団の中にいることが
ストレスになります。
人に対して過剰に反応し、戦闘または逃走を繰り返したりもします。
過去にこころ傷ついた経験があるのなら
落ち着いて相手を見る前に危険信号が出て反応してしまいます。
さらに危険を感じると、意識はシャットダウンからフリーズし
無気力、無関心、やる気も無くし、動くことももどかしくなります。
そんな状況になっている自分に対して
罪悪感を感じれば、さらにストレスは増していきます。
※ ここでのシャットダウンは意識を壁で包み込む
※ フリーズは副交感神経の下の腹側迷走神経複合体による
凍り付き反応の事
自己防衛とは自分を守るための行為。
保身、護身等とも言います。
例えば
熊が出る危険な場所には近づかない。
禁煙するのも自己防衛。
ボートに乗る時にライフジャケットを着る
のも自己防衛です。
そういう外部から自分を守る自己防衛ではなく
こちらの自己防衛は
過去に自分を守るため
他者や自分の内側と距離を置いたり、
現実世界に近づかないように使った手段のことを言います。
(鈍感力もその一つです)
何度もその手段を繰り返すことで
無意識に同じ行為をしてしまい
それは
周りがハッキリ解らなく
自分の人生の舵を切るのが難しくなります。
それはストレスに振り回されることになります。
事例1
子どもの頃、母親の愚痴をいつも聞かされた。
聞くのはとても苦痛だった。
幼い子どもにとって大人の苦しみは受けとめきれません。
また親が困っている姿を見ると恐怖を感じたりします。
そこで子どもなりに考え、頷いて聞くそぶりをし、恐怖を逃れた経験を繰り返すと
大人になって友人から困った相談をされると聞いているのけど無意識に話の内容が入ってこなかったり、共感する事がなかったりします。
過去には自分の心を守るために必要だったことが
無意識に繰り返され信頼関係を築く妨げになっていることもあります。
事例2
幼い頃、父親も母親も過干渉で何をするのにも口を挟み
自分の思い通りにならない。
従わないと怒られるので
自分では考えないで従おうという経験を繰り返すと
大人になっても、誰かの指示が欲しくなったり許可が欲しくなったり自分の考えが思い浮かばない、どうすれば良いか解らなくなる事があります。
無意識に考えないようにしています。
選択する事が大人になって難しくなる方もいらっしゃいます。
事例3
家の中がいつも大変だった。
両親は話を聞いて貰えるような余裕がなかった。
寂しい気持ちがあるけれど、その気持ちを抑えるために
片付けを始めた。夢中になる内に寂しさから距離を置くことが出来た。
更に、片付いた部屋を見て両親は褒めてくれた。
その行為を繰り返す内に、心がモヤモヤすると掃除や片付け、キチンとする行動をするようになり
大人になると、何に困っているのか、何を目標にしているのか解らなくなる方がいます。
自己防衛は
その場面において、その行為をしなければ、
心を傷つけてたかもしれません。
生き抜くのに困難を生じたことだと思います。
ただ
自己防衛をし過ぎると人格の一部になり
大人になっても
現実や他者を遠ざける手段にしたり,自分の気持ちに気がつくことから距離を置いたりします。
これでは何がどうしてストレスになっているのかも
解らないまま、悩むことになります。